ホームオブハートとＴｏｓｈｉ問題を考える会（略称 ＨＴＰ）には、元セミナー生であると同時に、Ｔｏｓｈｉ自身が社長を務めるＴｏｓｈｉのマネージメント事務所（株）トシオフィスのスタッフであった者が数名おります。

　１９９８年、ロックバンド『 X JAPAN 』の元ボーカルＴｏｓｈｉの洗脳問題が話題になったことを覚えている方も、多くいらっしゃると思います。あの当時、正面切って堂々とメディアの前に現れたＴｏｓｈｉの姿勢に、「嘘をついているはずはない」と思い込んだのが私たちでした。世間の冷たい風に負けず精一杯に演奏活動を続ける姿を見て、多少の疑問を持ちながらも、「 Ｔｏｓｈｉの詩旅（うたたび）を支える 」という選択をしてしまいました。

　その後、各々に経緯があり、私たちはＭＡＳＡＹＡのセミナーを受講するに至りました。気がついた時にはセミナー受講がトシオフィスで働く条件になっており、トシオフィスは１つの独立した会社ではなく、ホームオブハートの１事業部に過ぎない存在となっていました。

　命じられるまま、また「 万物に貢献するため 」と信じるまま、指示された売り上げを必死の思いでつくる日々が続きました。そんな中、棚に上げ続けてきた疑問は重さを増す一方で、ついには棚そのものが崩れ落ちる日が各々にやってきました。その日からは、自分たちに起こったこと、自分がしたことを整理していく毎日でした。整理すればするほど、１９９８年のマスコミ騒動での発言に始まり、ＴｏｓｈｉやＭＡＳＡＹＡのこれまでの発言や行動に、多くの嘘と矛盾があったことに気づかざるを得ませんでした。

　世間的には、１９９８年のマスコミ騒動はＴｏｓｈｉの個人的な家族問題にすりかえられ、問題の本質は５年半という月日が経った今も全く明らかにされないままとなっています。しかし、私たち元スタッフの目の前には、今、多くの事実が突きつけられています。その中で私たちにとって最も重たい事実は、ＴｏｓｈｉやＭＡＳＡＹＡのついてきた嘘や自己啓発セミナーと称した精神操作の手法ではありません。

　最も重たい事実は、私たち自身が、多くの人たちに対して「 Ｔｏｓｈｉの今の活動は素晴らしい 」と語って営業活動をし、Ｔｏｓｈｉが独立した一人のアーティストとしての思いから音楽活動やボランティア慰問を行っていると宣伝してしまったことです。その結果、本当に多くの皆様を巻き込み、また新たな被害者を生み出してしまいました。

　私たちがセミナーをやめトシオフィスを解雇されてから、この３月で８ヶ月〜１年数ヶ月が経ちましたが、今も変わらずＴｏｓｈｉの詩旅は続いており、新たなセミナー生たちが、私たちがしてきたのと同じようにトシオフィスを支えるスタッフとして活動をしています。セミナーの体験により精神的、肉体的、また経済的に酷い状態に陥っていたとはいえ、もっと早くに私たちが勇気を持って事実を見つめ、謝罪する機会を持てなかったことを、心から残念に、また本当に申し訳なく思っております。

　被害を受けられた皆様、ご家族の皆様、慰問の申し出を受け入れて下さった福祉施設の皆様、善意からコンサートを主催してくださった皆様、参加してくださった皆様、そのほか巻き込んでしまった数え切れない程多くのご関係者の皆様に、この場をお借りして、心よりお詫び申し上げます。

２００４年３月

（株）トシオフィス 元スタッフ有志一同